
はんだ付けや配線に悩まず、1枚で飛べるTinyWhoop用AIOを探しているなら――**BETAFPV「Matrix 1S Brushless Flight Controller(5in1)」**が有力候補です。FC+1S/5A ESC+ELRS 2.4GHz受信機+5.8GHzアナログVTX(最大400mW)を統合し、モータープラグ対応&厚さ1.0mmの堅牢PCBでビルドも運用もラクに。さらにSTM32G473×ICM42688Pの組み合わせで、65~75mm級の室内練習機から公園フリースタイルまで、キビキビした飛びを狙えます。
本記事では、Matrix 1Sの特徴/スペックの要点から、Betaflight設定のコツ、ELRSバインド手順、Bluejay対応、VTX出力と発熱の実用目安、相性の良いフレーム・モーター選びまでまとめて解説。
「最短で失敗しないAIO選び」をしたい方、Meteor65/75 Proのアップグレードを検討中の方は、ぜひ続きをチェックしてください。
BETAFPV「Matrix 1S Brushless Flight Controller (5IN1)」の特徴

- 超小型AIO(5in1):FC+ESC(1S/5A)+OSD+内蔵ELRS2.4GHz受信機+5.8GHzアナログVTX(最大400mW)を一枚に統合。はんだ不要のモータープラグで組み立てが簡単。PCBは1.0mm厚で練習機にも強い。
- 高速G4世代MCU:STM32G473(F411比約55%高速)+ICM42688Pジャイロ+16MBブラックボックスで、TinyWhoop~1Sフリースタイルまで応答性を底上げ。
- 室内~近距離向け画質/到達:VTX 25/100/200/400mW。高出力は発熱・航続に影響するため、屋内は25~100mW推奨。通電前に必ずアンテナ装着。
主な仕様
項目 | 内容 |
---|---|
MCU / ジャイロ | STM32G473CEU6 / ICM42688P |
受信機 | 内蔵 Serial ExpressLRS 2.4GHz(CRSF、V3.4.3) |
ESC | 1S専用 5A連続(8Aピーク)、DShot300/600、Bluejay(BB51)対応 |
VTX | 5.8GHz 48ch、出力 25/100/200/400mW、SmartAudio 2.0 |
BEC / UART | 5V 3A / UART1,2(VTX),3(RX),4 |
基板/サイズ/重さ | PCB厚 1.0mm、26×26mm、約3.92g(アンテナ除く) |
コネクタ | モーター JST1.25、バッテリー BT2.0、USBはSH1.0-4pin→Type-C変換付属 |
※上記は製品ページ公表値。 |
使い勝手のポイント
- 配線/ポート:デフォルトで UART2=VTX、UART3=RX(ELRS)。UART3を空けたい場合は指定の抵抗を外す手順が用意。さらにフル機能UART×2系統を外部機器(外付けCRSF/SBUS、GPS、HD VTXなど)に利用可。
- Bluejay(ESC):BB51ソリューション向けA_X_5_96KHz_V0.19推奨。24/48/96kHz固定PWMやRPMフィルタ対応。短すぎる点火間隔のFWを書かないこと(失速・焼損リスク)。
- Betaflight:**4.5.0(BETAFPVG473)**推奨。ICM42688の改善が取り込まれている。CLIダンプ/ファーム配布リンクあり。
- ELRSのバインド:通電・遮断を3回でバインドモード(LEDがダブル点滅)。ELRS Configuratorで**“BETAFPV 2.4GHz AIO RX”**を選び、Wi-FiまたはBetaflightパススルーで更新可。
同梱物と推奨パーツ
- 同梱:FC本体、Type-C→SH1.0アダプタ、SH1.0-4pinケーブル、ネジ類、ダンパー等。
- 推奨:Meteor65 Pro / 75 Proフレーム・ドローン、0702/0802/1102モーター系。Meteor75 Proは本FCへのアップグレード版も告知あり。
回路図


ファームウェア更新(公式記載の要点まとめ)
- Betaflight本体:推奨は Betaflight 4.5.0(ターゲット:BETAFPVG473)。メーカーがCLIダンプ付きのDLリンクを案内しています。
- ExpressLRS受信機:内蔵のSerial ELRS 2.4GHzは、Betaflightをフラッシュし直さなくてもELRS V3系へ更新可。更新方法はWi-FiまたはBetaflightパススルーで、**“BETAFPV 2.4GHz AIO RX”**ターゲットを選択します(Wi-Fi手順への公式リンクあり)。
- ESC(Bluejay):BB51ソリューション用にA_X_5_96KHz_V0.19.hexを指定。24/48/96kHz固定PWM・RPMフィルタ対応。**間隔の短い別FWは厳禁(失速・焼損リスク)**と注意喚起。ESC-Configurator/BluejayのDLリンクも記載。
参考:仕様欄にもFC Firmware: Betaflight_4.5.0_BETAFPVG473、ESC Firmware: A_X_5_96KHz_V0.19と明記。
どんな人に向く?
- 初心者~練習機に最適:はんだレス&厚基板で壊れにくく、セットアップが容易。軽さ最優先のレース機なら、より軽量なAir Brushless FC 5IN1も選択肢。旧F4 1S 5A AIOより演算/耐久/一体化で優位。
注意事項
- 5.8GHzアナログVTXは出力と発熱/飛行時間がトレードオフ。屋内は低出力を推奨。アンテナ未接続で通電しないこと。電波の運用は各国法令に従ってください。
※出典:メーカー製品ページ(仕様・使い方・注意事項・ファーム/ESC情報など)。
おわりに(まとめ)
Matrix 1S 5in1は、FC/1S 5A ESC/ELRS受信機/アナログVTXを1枚に集約し、はんだ最小・組み上げ最速で“すぐ飛ばせる”が最大の価値です。
G473+ICM42688Pの余裕ある処理と1.0mm厚PCBの耐久で、65~75mm級の室内練習機から公園フリースタイルまで安定した飛びを実現。
運用ではVTXは屋内25–100mW、屋外でも200mW目安から始め、発熱と飛行時間を見ながら調整しましょう。
初期設定は**Betaflight 4.5推奨ターゲット+Bluejay(BB51, 96kHz)**が無難。Meteor65/75 Pro+0702~1102の定番構成とも相性◎です。
「配線を減らして、調整よりフライト時間を増やしたい」という方にとって、失敗しにくいAIOの有力解――それがMatrix 1Sです。